子供に時計を教える

 柱時計

 子供に時計を教えるのに適しているのは、何才頃だと思われますか?

 私は3才ぐらいが適齢期だと考えます。3才というのは右脳が発達している時期なので、形で覚えるのが得意な年齢です。アナログ時計の長針と短針の角度を形で覚える。数字と形で覚えるところから入ると覚えやすいです。3才ぐらいになると皆、おやつの時間の3時の形は覚えていたり、お昼の12時の形は何となく知っていたりしますよね。

 普段使う数字はたいてい10進法が多く、学校でも足し算、引き算は10進法です。でも、時計は12進法であったり、60進法であったりするので10進法の理論が身に付いてから、時計を習うとかえって解りにくくなりそうです。大人だって、デジタル時計を見て、「あと何分?」とか聞かれてもちょっと「う~ん」考えてからではないと答えられない時があります。

 私がちょうど3才ぐらいの頃のことです。昭和30年代のことですが、私の実家は丹波の田舎で当時、時計は家の中央の間(部屋)にボンボン時計が一つ柱に掛かっているだけでした。夕方、台所でご飯を作っている祖母が私に「今何時か時計見て来て」と頼んでくるのです。台所からは柱時計が見えません。私は時計のある部屋まで行って来て「おばあちゃん、長い針がここで、短い針がここやった。」と、腕を手旗信号のように動かして報告します。すると祖母が「わかった、4時40分頃やな。ありがとう。」と言ってくれるのです。そうやって時計の針の形と「何時何分」というのを覚えていったように思います。

 これは、公園に遊びに行く時などにも結構効果的で、夕方になって帰ろうと言っても嫌がってなかなか帰れない子も公園に着いて遊ぶ前に「5時になったら帰るからね。」「長い針が12で短い針が5のところに来たら帰るんだよ。」と時計の文字を差しながら約束をしておきます。そして、5時が近づいてきたら、「もう少しで5時になるよ。」と予告をして、5時になったら、時計を見せて「5時になったね。」といっしょに確認すると割合すんなりと帰ってくれたりします。

 日常の他の事でも、家のリビングなどに数字が大きめで読みやすいアナログ時計を掛けておいて、「〇時〇分になったら、何々しようね。」とか針の形を示しながら、子供の生活の中に時計を取り入れていくようにすると、時計が身近なものになり、読めた時の喜びも味わえると思います。

日光を浴びて健康作り

日光浴をする赤ちゃん

 コロナ禍で外出が減り、日光に当たる時間が少なくなっていませんか?近年、紫外線による肌の老化や皮膚ガンのリスクばかりが注目され、日光が悪者扱いされていますが、その結果、ガン、骨粗しょう症、アレルギー、うつ病、糖尿病が急増しているという報告もあります。医学雑誌「Nature」が過度の紫外線対策に対して警告を発しました。紫外線を適度に浴びることは、健康を維持するためには大切なことなのです。

 では、日光を浴びることは、私たちの体にどんなメリットがあるのでしょうか。まず日光を浴びることで紫外線によって体内でビタミンDが生成されます。ビタミンDは、骨や筋肉を作るための必須栄養素です。

 厚生労働省の調査によると、食品から摂るビタミンDの必要量の目安は5.5μg程度で、それに対し一日に体に必要な量は15μg以上とされていて、足りない10μgは、日光を浴びて体内で生成する必要があるのです。体内のビタミンDは食品から摂取したカルシウムを腸から吸収して体内に取り込むのに役立ちます。そして体内カルシウムは骨格を作り神経の伝達物質の役目をします。つまり、日光を浴びることで骨が丈夫になり運動神経が良くなるということです。

 また、ビタミンDは、免疫機能のコントロールセンターである腸に働きかけて腸内環境を整え免疫力をアップさせます。ビタミンD投与により、インフルエンザの発症率は半減したという日本の臨床結果も報告されています。

 最近の研究では、体内のビタミンDを正常レベルに保つことにより肝がん、肺がん、乳がん、白血病などの発症リスクが2~8割低下したという報告もあるそうです。ちなみにビタミンDを多く含む食品は、サケ、マグロ、サバなどの魚類、キノコ類、卵、チーズなどがあります。これらを摂取することも大切です。

 さらに日光浴によるメリットとして、精神や目への影響もあります。世界的にみても、北欧や東欧などの日照時間の短い国では、うつ病の発生率は高いことが知られています。

 日光を浴びると「快楽ホルモン」と言われるβエンドルフィンや「喜びホルモン」と言われるセロトニンが分泌され、脳が活性化し、一日のリズムも整えられ、うつ病や認知症が予防、改善されます。これは皮膚だけでなく目から入った紫外線も網膜を刺激し、体内時計をリセットするのです。だから反対に夜遅くまでパソコンやスマホのブルーライトを見ていると体内時計がおかしくなり、不眠や自律神経の不調を招くのです。(ブルーライトは、紫外線の次に波長の短い可視光線で太陽はもちろん、LEDを使ったパソコン、TV、スマホの画面からも多く放射されます。)

 ブルーライトと言えば先日のニュースで「新型コロナによる在宅学習用に、ブルーライトをカットする眼鏡を小中学生へ寄贈するという計画を渋谷区が立てていたが、眼科の学会からの意見で中止になった。」と言ってました。太陽光を充分に浴びないと、近視が進行するリスクが高まるという意見書によるものです。

 とは言え、強い紫外線に当たったり、一度に長時間日光に当たることは、やはりダメージがあります。
 
 これからの季節は、日差しが強くなりますので、朝夕の紫外線量の少ない時間に出掛けるとか、帽子や日傘・ベビーカーのひさしなどを使ったり、木陰で遊ぶなどして、少しずつ日光を浴びるようにすることをおすすめします。
 
 この記事に関連して「赤ちゃんに日焼け止め・・・?!」(2012.08.20発信)もご一読下さい。
 

自転車で来られる方へ

駐輪場の案内図

自転車でお越しの方は烏丸今出川交差点にある市営駐輪場、または烏丸今出川交差点から100m南にある自転車専用コイン駐輪場をご利用下さい。この付近は自転車の撤去が度々行われます。ご注意下さい。またバイクは駐輪場が近隣にございません。ご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いいたします。

子どものおやつはお菓子ではありません

おにぎり 1才半頃の断乳と共に午前10時と午後3時のおやつが必要となります。2~3才頃からは午後3時だけでも大丈夫になります。

 それは、子どもはまだ胃も小さくて一度に沢山は消化できないので、小分けにして栄養を摂るのです。大人の体になってくると1日3回ですが、子どもは、1日分の栄養を4回や5回に分けて食べることになります。

 ですから、子どもの場合10時や3時の“おやつ”は“食事”なのです。おにぎりやお芋さん、お焼きやお好み焼きとか夏はとうもろこしも良いですし、おかずの残りでも可です。小腹のふくれる物にして下さい。飲み物もお番茶やお水で良いです。

 よく、小さな子どもたちにお菓子をあげている方を見かけますが、子どもたちは、おやつの時間は「お腹がすいている」のですよ。例えば、あなたが水泳をして「あーおなかすいたあ~。」という時や、よく歩いたり、テニスをしたりして「おなかペコペコ」という時にチョコやグミやクッキーなど甘いお菓子を食べても何だか満足しないと感じませんか?おまけに甘いジュースなどを飲んだりしたら、かえってムッと気持ち悪くなったりしませんか?

 それは、空腹なのに甘い物で血糖値だけ上がっているからです。しかも、急激に上がるので、それを処理するためにインスリンが大量に分泌されますが、糖分だけで血糖値が上がっているのですぐ消化され今度は余ったインスリンで低血糖になるのです。

 気分としては食べ過ぎた時の「あ~気持ちわる~い。」とお腹がすき過ぎの「お腹すいてイライラするわ~。」が続けて襲ってくるのです。それでは子どもたちもイライラしてキレやすくなり、とても落ちついた子になることは出来ません。

 そして、夕食の前ぐらいにまたお菓子を食べることになり、夕飯が出来た頃にちょうど「お腹すいてない!」状態が来て、「せっかく夕飯を作ったのに食べてくれない・・・。」となったりします。ですから子どもたちのおやつは食事に準ずる小腹のふくれる物にして、甘いお菓子は特別な時だけにするか、どこかで頂いても持参のおにぎりやお芋の後に少しだけ頂くようにしておくと良いでしょう。そして、飲み物はお茶かお水。家ではジュースは出てこない。ジュースは飲ませてもらえないというように、子どもたちに思ってもらえるようにしましょう。お菓子や甘い飲み物のあふれている今の日本では、お父さんやお母さんの頑張りが必要なのです。

さつまいも

爆笑問題田中さんとお菓子と乳腺炎

フルーツのショートケーキ 先日お笑いコンビ爆笑問題の田中裕二さんが、脳梗塞とクモ膜下出血で緊急入院されました。脳梗塞もクモ膜下出血も、脳卒中という病気の一種です。脳の血管の一部が詰まったり、狭まったりしてそこから先の脳の組織への血流が悪くなり、脳の一部が死んでしまうものを脳梗塞と言います。脳の表面の血管が破れて脳の外側にあるクモ膜下腔というすき間に血液が溜まってしまって、脳が血液で覆われてしまうものをクモ膜下出血といいます。脳卒中にはもう一つ脳の内部の血管から出血する脳内出血があります。卒中とは卒然(突然)の中(あたり)という意味で、脳血管の異常によって急激に脳に障害を起こし意識障害、言語障害、半身麻痺など様々な症状が突然出た状態を言います。

 血管が詰まったり、破れたりする原因の多くは、高血圧症、高脂血症、糖尿病など生活習慣病が挙げられます。喫煙、肥満、飲酒、運動不足などにより血管の軟らかさが失われ破れやすくなったり、血液がドロドロとなり塊を作りやすい状態になったりして、ある日突然体のどこかで詰まったり破れたりする・・・それが脳の血管で起こると脳卒中です。

 田中さんはお酒もタバコも飲まないとのことですが、お菓子は大好きだそうで「お菓子王子」と呼ばれていたそうです。今回の病気の原因はそれだけとは限りませんが、お菓子の食べ過ぎによる、塩分、糖分、脂質の摂り過ぎは大きな原因の一つと言えると思います。

 この話が乳腺炎とどう繋がるかと言いますと、妊娠中やそれ以前からもお菓子が好きでよく食べていたお母さんは産後3ヶ月間ぐらいはよくおっぱいが詰まってしこりが出来たり、それが元で乳腺炎になることがあります。乳汁の塊が出来て、乳管のどこかに詰まりそこのところの乳汁が流れにくくなりしこりが出来ます。また完全にそこの乳管を塞いでしまうと、しこりが赤くなって痛くなり乳腺炎になることもあります。これはうっ滞性(乳汁がたまった)の乳腺炎です。(脳の血管と乳腺は構造が少し違うので、破れたり壊死したりするということはほぼ無いのですが。)

 「乳栓」といって直径1mmにも満たない乳汁の成分の塊が乳汁の流れを邪魔するのです。桶谷式の手技をしていると乳腺の組織の柔軟さが増し、滞っている乳汁の流れが良くなるので乳栓も出しやすくなるのですが、手技をしている間にも次々と何個も乳栓が出て来て、プツンと出てはまた詰まりを繰り返すこともあります。お菓子をたくさん食べていた人の血液や乳腺組織は、塊を作りやすい状態になっているのでしょう。そういう方が過去に何人かおられました。でも桶谷の手技を繰り返し受けて下さっていると、2ヶ月、3ヶ月経ちすると乳栓が詰まっても抜けやすくなり、次第に詰まる回数が減り、4~5ヶ月頃にはほとんど詰まらなくなっていきました。

 もちろん、手技だけではなくお母さんも食事や睡眠に気を付け、母乳もしっかり飲ませるという努力も功を奏したわけですが。

 ともあれ、お菓子の食べ過ぎによる塩分、糖分、脂質の摂り過ぎは、全身を巡る血液を通して全身に悪影響を与えると考えられます。お菓子は本来、嗜好品、「好きならば、元気な時にちょっと楽しむ物」です。

 田中さんの奥さんの山口もえさんはお料理が上手と聞きます。体に良い美味しいごはんをしっかり食べて、また元気なお姿を見せて下さい。お大事に。

免疫力の低下を防ぐ授乳中の睡眠の取り方

睡魔に勝てない赤ちゃん 来院されるお母さん方に「あなたは、夜何時に寝始めますか?」とよく尋ねます。たいてい返ってくる答えはは「11時」とか「12時」です。しかし、それではとても授乳中のお母さんの健康を保つことは出来ませんし、血流も悪くなり、母乳の分泌も悪くなります。そして、睡眠不足は免疫力の低下にもつながります。「8時半頃から寝る用意をして、9時ぐらいの授乳を済ませたら、赤ちゃんと一緒に眠る。そして、12時、3時に夜中の授乳をし、6時の授乳で起きる(眠ければもう少し眠っても良いけど)。そして、お昼寝も赤ちゃんの午後の昼寝の時に30分程度眠る」これが、授乳期間のお母さんへおすすめしたい睡眠リズムです。

 夜11時や12時に寝始めると、3時の授乳はとても起きられません。頑張って起きたとしても、そんな生活を1年数カ月も続けたら、お母さんの体がボロボロになってしまいます。だから早く寝ましょう。

 では、早く寝るコツを紹介します。まず、生後3ヶ月までの赤ちゃんは、まだ、この世の生活リズムに慣れていませんので、夜に元気になったりする子も多くいます。お母さんの胎内は、一日中暗い世界だったので、日光のリズムの影響を受けません。ですから、お母さんがのんびりする夜に元気になってよく動いていたのでしょう。

 お腹の外に出て初めて太陽の光を感じ、昼型の24時間のリズムに慣れるのに2ヶ月半か3ヶ月程度の期間がかかります。だからこそ、赤ちゃんにこの世のリズムに慣れてもらうために、夜8時半ぐらいには寝室に行き、薄暗くして夜の雰囲気にして、朝は7時頃には、日光を感じるようにリビングに連れて行き昼の雰囲気の中で過ごせるようにしてあげましょう。

 とは言っても夜9時の授乳が終わっても赤ちゃんが眠らない時はどうしましょうか?赤ちゃんがギャンギャン泣いている時は、何とかしてあげなくてはいけませんが、泣きもせず目を開けている時は、お母さんどうぞ赤ちゃんの隣で先に目をつぶって眠って下さい。眠れなくても眠ったふりでもいいです。お母さんが隣で眠ってくれると赤ちゃんも安心してその内眠りますから。

 「まだ眠らないのかな~?」ってジーッと見つめられていたら赤ちゃんだって眠りにくいですよ。あなただって誰かにジーッと見られていたら眠れないでしょ?!

 赤ちゃんが動き回るぐらいに成長したら、昼間散歩したり、よくハイハイするようにしたりとかしてあげて疲れさせることも大切です。

 それから、お母さんのお昼寝は、赤ちゃんの午後のお昼寝の時に「寝始めをいっしょに寝る」ことが大切です。「赤ちゃんが寝たし用事を済ませてから私も昼寝を・・・」と思っていると必ずと言っていいほど赤ちゃんが目を覚まし結局寝れません。寝始めを一緒に寝て、30分ぐらいで起きるのが良いと思います。

 新型コロナウイルスが流行している今、免疫力をアップさせるためにも上手に睡眠を取って、お母さんも赤ちゃんも元気におっぱい生活を楽しみましょう。

こちらの記事もご参照ください。「体温を上げて免疫力を上げることと母乳育児」

おっぱいはいつまで飲ませるの?

  「おっぱいは、いつまで飲ませるのが良いのでしょうか?」
よく受ける質問です。それは、赤ちゃんが子供になるまでです。
  「子供になるって、どういう事?」
それは、次の様なことが出来るようになれば、赤ちゃんを卒業してお兄ちゃん(お姉ちゃん)になるのです。

① 自分の足でしっかり歩ける。
② こちらの言っている事がだいたい理解できる。
③ 和食の大人の食事と同じ様な物を三食食べている。
④ 「あっち」でなくて「こっち」という二方向の判断が出来る。

 これらの事が出来るようになる頃、だいたい1才4~5ヶ月頃でしょうか。

 それぞれの項目を少し詳しく説明すると、
① 二足歩行が出来るということは、人間としての形になったということです。
② 「お外に行こうね」と言うと、玄関の方に行くとか。「本を取ってきて」と言うとちゃんと取ってきて来るとかが出来る。
③ 量の多少はあまり気にしなくても良いと思いますが、朝、昼、夕と食事に参加して一緒に食べている。
④ 1才頃になると自己主張が出てきて頑固になり、自分の意思が通らないと「イ-!」となって、グダグダになります。おっぱいは、このグダグダをなおすのにも役立ちます。一方向の判断しか出来ません。それが1才半に近づいてくると、主張はするけれど通らなければ代替案も受け入れられるようになり、二方向の判断が出来るようになります。他にも積木とかオモチャもポイポイと出すばかりだったのが、かごの中に入れられるとか「ここに置いてね」と言うと、ちゃんとその場所に置けるようになります。これが「A」ではなくて、「B」という二方向の判断が出来るようになるということです。つまり、自分は「赤ちゃん」じゃなくて、「お兄ちゃん(お姉ちゃん)」というのが受け入れられるということです。

 この様な①~④の事が出来るようになると、もう赤ちゃんでは無く、子供になってくるので、おっぱいの助けが無くても体力的にも精神的にもやっていけるぐらいに成長したという事です。つまり、断乳の時期です。(断乳は母児の心身共に大きな変化を与える事です。その前後の生活上の注意点をよく理解し、断乳前から乳房のケアを受けて、心身共に良好な状態で臨むべき事です。希望される1ヶ月ぐらい前から、お近くの桶谷式母乳育児相談室にご相談のうえ、前後のケアを受けながら行って下さい。)ですから、「いつまで飲ませるの?」と言う質問に対しては、「赤ちゃんが1才半ぐらいになって、自分で歩けるようになるまで」というのが、大まかな答えです。

 100日のお食い初めを迎えるまでの赤ちゃんは、まだ”初心者マーク付き”なので頻回に飲んでも当たり前なのですが、その後は、おっぱいの調子が良ければ、昼も夜も2時間半から3時間毎におっぱいを欲しがります。そして1才を過ぎて1才半になる頃にしっかり歩けるようになるまではそのペースが続きます。間が空くのはその後の時期です。

 しっかり飲ませていれば1才頃からは、おっぱい大好きな「おっぱい星人」になります。かわいいですよ。どうぞ「おっぱい星人」を目指して頑張って下さい。

体温を上げて免疫力を上げることと母乳育児

授乳中の赤ちゃん 「体温を上げると免疫力が上がる」最近よく言われていることです。体温と免疫力には大きな関係があります。

 血液の成分である白血球は、体内を循環し、ウイルスや細菌などの異物を速やかに見つけ、繁殖を抑えることで病気になるのを防いでくれています。しかし体温が低いと血のめぐりが悪くなり、体に侵入して来たウイルスや細菌などが、白血球に見つからない内に増殖してしまい、発病しやすい状況になってしまいます。また、血のめぐりが悪いということは、体を構成している約60兆個の細胞それぞれに栄養や酸素が行き渡りにくく、老廃物が溜まりやすい状態を作ってしまいます。「冷え症」というのは病気とまでにはいってませんが病気になりやすい体質になっているということなのです。

 そこで、体温を上げるためには、・適度な運動 ・体を温めるものを食べる ・早寝早起き ・お風呂につかる ・体を冷やさないなどが有効です。

 ところで、「母乳育児とはどういう関係があるのか」ということですが。母乳1mlは何mlの血液から造られていると思われますか?答えは約500mlです。血液約500mlが体から乳腺房に流れ、その中の1mlの成分が母乳となり残りの約499mlは再び体に帰って行くのです。

 赤ちゃんは生後4ヶ月頃からは、1回の授乳で100ml程度飲むので、1回の授乳の約20分間にお母さんの体は500ml×100=50Lの血液が体を巡ることになります。つまり、お母さんの体の血のめぐりが良くなり、体温が上がります。一方、赤ちゃんの方は、ゴックン、ゴックンと大きく顎を動かして母乳を飲むことは、すごくいい運動になり、赤ちゃんの体はポカポカと温まります。特に夏などは、汗だくになりながら飲んでいます。

 赤ちゃんは、体温の下がりやすい夜中も3時間毎に母乳を飲むことで、体温を上げているのです。そして、乳房の調子が良く美味しい母乳の時ほど大きく顎を動かし、ゴックンゴックンと全身運動になります。

 また、調子が良くて美味しいオッパイを造るための生活は、体温を上げるための生活と同じです。早寝早起き、適度な運動、体を温めるものを食べる等々。つまり、母乳育児をすることでお母さんの体も赤ちゃんの体も体温が上昇し、免疫力が上がるということです。お母さんと赤ちゃん、二人の健康のために母乳育児は役立っていますよ。

こちらの記事もご覧ください。「免疫力の低下を防ぐ授乳中の睡眠の取り方」

唾液の抗菌パワーと母乳

赤ちゃんとお医者さま 秋の深まりと共に新型コロナウイルスの感染者数も増加し、感染予防の必要性が一層高まっています。

 ウイルスが口から侵入するのを防ぐためにマスクが活躍していますが、口の中のだ液もそれを助けています。だ液の中には、ウイルスや細菌などと結合して、その増殖を抑える、IgA抗体ラクトフェリンペルオキシダーゼリゾチームといった抗菌作用を持つ物質が含まれています。つまりだ液は、体内に入ろうとしているウイルスや細菌と体の入り口で戦って体を守ってくれているのです。

 その効力は、だ液の量や質で変わるそうです。量を増やすには、よく噛むこと、軽い運動、自律神経を整えるように規則正しい生活をするなどが大切です。また、舌を刺激するように軽く数回ブラッシングするなども効果的だそうです。また、だ液の質を良くするには、水分を十分に摂ることや栄養バランスの良い食事を摂ることが大切ですし、発酵食品に含まれるビフィズス菌や乳酸菌はだ液中のIgA抗体を増やしてくれます。

 ところで、赤ちゃんが母乳を飲むことと、だ液についてはどうかというと、赤ちゃんが母乳を飲んでいる時にその顎の動きを見ていると母乳が涌いてきた時に、顎を大きく動かしながら、ゴックン、ゴックンと飲んでいるのがわかります。これは、人が物を噛む時の動作と同じで、だ液の分泌を促します。母乳の分泌には、陣痛のように波があって、涌いていない時赤ちゃんはクチュクチュと刺激するように小さく口を動かすのですが、その刺激で母乳が涌いてくると、こめかみのあたりまで大きく顎を動かし、乳首にクルッと巻き付けた舌で波を打つように動かしながら、乳汁を口の奥へ送り込むのです。その顎の動きは、乳房の状態が良好で美味しい乳汁の時ほど、はっきりとゴックンゴックンと大きく動かしています。こうして、しっかり顎を動かしだ液の分泌も促しているのです。

 そして、この動きは赤ちゃんにとって全身運動にもなっています。夏に授乳したことのあるお母さんは良く分かると思いますが、赤ちゃんは母乳を飲みながら汗びっしょりになっていますよね。他のシーズンでも母乳を飲むと赤ちゃんの体はホカホカ温かくなります。赤ちゃんにとっては、母乳を飲むのはいい運動なのです。

 そして、だ液の中のIgA抗体を増やしてくれる、ビフィズス菌や乳酸菌ですが、母乳の中には、ミルコオリゴ糖というのが含まれていて、これが、赤ちゃんの体の中のビフィズス菌や乳酸菌のエサになり、善玉菌が活発に動けるようにしてくれているのです。

 このように、母乳は赤ちゃんの体をウイルスや細菌から守ることにも役立っています。

こちらの記事もご参照ください。「授乳中のお母さんの健康と睡眠」

黒川伊保子先生の講演会に行って来ました!

 黒川伊保子先生の著書「家族のトリセツ」

 黒川伊保子先生の講演会に行って来ました!お題は「夫婦のトリセツ」。私はいとこと一緒でしたが文字通りご夫婦で来られている方々も4~5組おられましたよ。

 黒川先生は、日本のAI(人工知能)開発に初期の段階から、取り組まれて来られた方です。そのために、人間の脳の使い方を解明していく中で分かったことを、あらゆる人間関係の改善に役立てる様にと話して下さいます。

 2~3年前に桶谷式母乳育児推進協会の総会で、先生の講演をお聞きし、今回は2度目なのですが、柔和な語り口とウィットに富んだ内容で前回大好評だったのですが、今回もでした!

 男性と女性の脳の構造は同じだけれど、とっさに使う時の使い方が違うので、お互いに「なんでそんな事を言うのかなあ?!」となってしまうとか、良かれと思って掛けた言葉が裏目に出て、喧嘩になるとか・・・それは脳の使い方が違うから。ふむふむなるほどというお話が満載でした。

 著書も多数出されており、何冊か読みましたが、いずれも読みやすくお勧めです。「夫のトリセツ」「妻のトリセツ」「コミュニケーションストレス」「しあわせ脳に育てよう」などなど。

 

黒川伊保子先生のオフィシャルサイトはこちらから

写真は先生のトリセツシリーズ最新版「家族のトリセツ」です。サインもいただいて、ご機嫌ですぅ。

黒川伊保子先生のサイン