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母乳育児の悩みごとあるある

離乳食を食べてくれない。

赤ちゃんについて

「離乳食を食べてくれない。」これは、お母さん方にとってなかなか悩ましい問題ですよね。いろいろな原因は考えられますが、今回は赤ちゃんの気持ち方面から考えてみましょう。ところで赤ちゃんの離乳食ってどういうタイミングであげていますか?

1回食の時は午前中の9時か10時頃

2回食になると、それに午後の3時頃に2回目を追加

3回食になると、自分が食べる前にまず赤ちゃんに食べさせて、その後自分が食べる。こんな感じですか?

 それで、赤ちゃんがなかなか食べてくれないと大変ですよね。顔や声は優しく「食べましょうね~~?」と言いつつ内心「もう、さっさと食べてよ。用事が片付かないじゃない。」とか「私もお腹空いているのにィ~!」ってイライラしてしまっていませんか?それとか、1日中ごはんごはんで、「もう自分の分はテキトーでいいわ」とかなっていませんか?

 一方、赤ちゃんはどんな風に思っているでしょう。想像してみたことはありますか?私は、赤ちゃんを見ながら「この人は何を思っているんだろう?」と考えてみます。赤ちゃんは生後4~5ヶ月頃になると、お母さんがごはんを食べている時、傍にいるとジ-とお母さんの口元や箸の動きを見つめてくるようになります。時々よだれも垂らしながら・・・。きっと食べたいのですよ。

そして、生後6~7ヶ月頃になると、食べ物やスプーンに手を伸ばして取ろうとします。きっと自分で食べたいのですよ。なのにお母さん達だけ食べて『私にはくれないのか』とあきらめていたら、『えっ?今頃?』って時間に「食べろ」「食べろ」ってたべさせられて、しかもお母さんはイライラしてるし・・・。『ちっとも楽しいお食事じゃないよね。』って思っているかもです。

昔、ガスや電子レンジの無かった時代、どうしていたのでしょう?お粥ぐらいは特別に作ってあげていたでしょうけれど、他の物は親がクチャクチャと噛みつぶした物を与えていました。特別な時間に特別な物を与えるのではなく、いっしょに「いただきます」をして親といっしょに食べていたのです。

きっと赤ちゃんも家族といっしょに食べる方がうれしいし、食べたくなりますよ。まだ月齢が低くて、何も食べない時期も食卓に参加させてあげて下さい。バウンサーに寝かせたり、抱っこしたりしながら。一回食になったら、朝ごはんか、昼ごはんかどちらかに食べさせてあげて下さい。いっしょに「いただきます。」をして自分が食事をしながら、たまに離乳食をあげるって感じで試して下さい。二回食になったら、朝と昼の時にいっしょに食べます。この頃になると、赤ちゃんも手を伸ばしてきて、自分でつかもうとします。何かしゃぶれる物、例えば出し昆布(3×6cmぐらいに切った硬いままの)とかおひたしの茎の方とかを両手に持たせて、赤ちゃんがシャブシャブしている間に自分が食べて、合間に離乳食を上げるって感じです。

その時の赤ちゃんは抱っこして、膝の上に座らせるか、バウンサーや椅子ならお母さんと対面ではなく、テーブルの角を挟んで90°の角度で座らせます。赤ちゃんがむせたり、喉を詰まらせそうになったりした時に即、口に指を突っ込んで出してあげたり、背中をトントンしたり出来ますので。夕食の時は赤ちゃんが自分のお手々に持っている物をシャブシャブするだけ。三回食になる頃には形のある状態でカボチャや芋類などは手づかみ食べをさせた方が良いし葉物野菜は茎の方を握らせてあげれば茎の中身が食べられます。ごはんもおにぎりにしてみて下さい。軟飯もラップでにぎれば小さなおにぎりが出来ますよね。

コツは、沢山盛り付けない事と小さくしすぎない事。「いっぱい食べて大きくなってほしい」と思って沢山盛ると小食の子は見ぶくれして食欲が落ちたりします。「足りないよね。これでは」ぐらいの量にして、全部食べて、お皿がピカピカになったら、お母さんの分から分けてあげましょう。小さく1cm大ぐらいにすると、つまんでポコポコとお口に入れてリスの様に口の中に貯めこんで噛まずにゴックンと飲み込むことになります。

7~8ヶ月頃になると顎の力も強くなり、噛みたい意欲が出て来てグチャグチャの物に飽きてきます。煮物などは大人と同じ大きさの方が握りやすいし少しずつ噛んでゆっくり食べてもらいましょう。そうすればお母さんもいっしょに食べられます。大人の食事を薄味で美味しい味にして、取り分ければいいし、煮物の味付が濃くなった時は回りを削って中の方だけあげればいいし、お魚も大人用に炊いて(焼いて)味の薄そうなところを取り分けてあげて下さい。

 そして、いっしょに「いただきます」をして食べるとか、ごはんの間は座って食べるとか「ごちそうさま」をしたらもう食べないとかも覚えてもらいましょう。それには、お母さんもお父さんも皆がそれを守る事が大切です。赤ちゃんにとって回りの人がする事はお手本。「これが正しいやり方だ」と見て覚えますので。

いっしょに「いただきます」をして食べる。ごはんの途中で(極力)立たない。赤ちゃんが立ちそうになったら座らせる。もう食べる気が無さそうなら、どうしても食べてほしい物があればそれを一口食べさせてごちそうさま(終わり)にする。「ごちそうさま」をしたら、また、フラーと寄って来ても食べさせない。そういう事をお母さんも守ってやってみて下さい。きっと、対面の「あなた食べる人、私食べさせる人」「あ~はやく食べてよ、洗濯干せないやん!」っていう離乳食より親も子も楽しくしっかり食べられると思いますよ。