絵本の楽しみ

 「どんな絵本を読んであげればいいですか?」、来院されるお母さんから、こんな質問をよく受けます。あなたは、どんな絵本が良いと思いますか?私は、読んであげる人が好きな本が良いと思います。まあ、赤ちゃんには難しすぎる本も見聞きしてて楽しくないかもしれませんので、一応対象年齢というのも参考にしながら、その中で、読み手がお母さんなら、お母さんが「この絵本の絵が好きだわ」とか「この絵本のお話が楽しいわ」とか思える本が良いと思います。

 赤ちゃんは、まだ言葉の意味を充分理解出来ないと思いますが、その雰囲気は伝わります。読み手が「いいなぁ~」とか「おもしろいなぁ~」と思いながら読んでくれると、赤ちゃんも「きっとあの四角くてペラペラめくるものはおもしろいものなんだろうな」と感じるでしょう。反対に、読み手がこれは赤ちゃんの教育上良い物だと選んで読んでいても、心では「つまらないわ」と思って読んでいては「つまらないわ」が伝わってしまうと思うからです。

 絵本は基本的には子供向けの本ではありますが、大人が読んでも「いいなあ」と思う本は沢山あります。私は「だるまちゃんとてんぐちゃん」「ちがうねん」などが大好きです。ほかに五味太郎さんの本は、色がきれいで好きです。最近のでは「だるまさんが」もおもしろい。また、ロングセラーの本も絵本の中にはありますよね。「ぐりとぐら」のシリーズ「ノンタン」のシリーズ、せなけいこさんの「いやだいやだ」とか「ねないこだれだ」とか。子供の頃によく読んでもらったりした本を大人になって読むと、また違った受け止め方が出来て「奥が深いな」とか「え?そういう意味だったの?」とか、新しい発見があったりもします。子供が出来たからこそ、また楽しませてもらえる絵本の世界!ぜひ親も楽しんでいただきたいです。

 <エピソード>
 日本の絵本の中には鬼さんがちょくちょく登場します。でも、この鬼というのは、昔まだ日本が外国との交流がほとんど無かった時代に、海外から日本に来ようとして漂流して、海岸や近くの島に流れ着いたヨーロッパ人やロシア人のことではなかったのかという説があります。

 外人など見たことの無い日本人にすれば、髪も金色で肌も蒼白の人は青鬼さんに、赤毛の人は赤鬼さんに見えたのではないかという説です。自分たちに比べれば、でっかくて、何か訳の分からない言葉をしゃべる人はこわい鬼に見えたのかもしれませんね。

 わが家は寝る前に布団の中で読み聞かせをしていました。うちの子供達が3才と5才の頃に「泣いた赤鬼」の本を図書館で借りてきて読んで聞かせていた時のことです。この本は古くからあって私が小学生の頃に何度か読んだ記憶があって、いいお話ですので子供達には聞かせてあげようと思って、久々に読んでいたのですが、「赤鬼さんも青鬼さんも遠い国から流れ着いた人なんやなあ」と思いながら読んでいたら、だんだん切なくて切なくて、涙がにじんで来て字がぼやけて来て、とうとう「もう今日は途中やけどごめんな」と言って読むのをやめたことがあります。子供達はきょとんとしていたけれど、母は布団にもぐって涙をごまかしていました。

泣いた赤おに  「ドコマデモ キミノ トモダチ」の心を知る:浜田広介記念館 山形県HP

天使さん 画:堀切幸代