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ごまめ

2010.12.09幸代のひとりごと

 皆さんは、「ごまめ」って言うのを知ってますか?

もうすぐお正月だから、御節料理に入っている煮干しの甘がらくしたの?!

う~ん、たぶん語源はそれかも…なんですが、昔の子供たちの遊びの中のルールです。

 

 先日、来院されたお母さんとの会話です。

私:「子供の頃って、友達と自由に遊んでる方が、きっと体の為には良いと思うよ。小さい頃から、一つのスポーツばっかりやってたら、筋肉や骨がそのスポーツ独特の発達になっちゃうし。そう言えば昔は遊んでる途中でたんまとか、ニッキとか言って、自己申告で、休んでたよね。あれって良いルールと思わへん?自分の体力と気力に合わせて休憩を取れる制度やん?!あんまりたんまばっかりしてると、ずるいってつっこまれるけど。」

母:「そう言えば、ごまめっていうのもありましたね。」

私:「??ごまめって何?」

母:「昔って大きい子も小さい子も一緒に遊んでたでしょ。そしたら妹や弟を連れてくる子もいたりして。そう言う3歳や5歳やの小さい子は、鬼ごっことかしても『この子はごまめやから』って言って、遊びに寄せてあげるけど、鬼にはしないんです。」

私:「へぇ~そうなん?! そしたら、その子は逃げるだけなんや。」

母:「うん。どうせ小さいから鬼になっても他の子を捕まえたり出来へんから鬼にはしないんです。でも、そのうち本人も『何で私だけ捕まらへんのやろ?』って気付くんですけどね。」

私:「へぇ~。それでも逃げてるだけでも楽しいやんね。大きいお兄ちゃん、お姉ちゃんたちに寄せてもらってるって感じやし。」

母:「そうなんですよ。」

私:「それって優しいやんね。」

と言う話だったんです。

 

 ちょっと昔には、こういう子供たちだけの上下関係のある社会がありました。

私の小学校の頃、昭和40年代前半ですが、私の田舎では、”お日天さん迎え”

と言う行事がありました。それは、春のお彼岸の頃に、地域ごとに子供たちが集まって企画し子供たちだけで行く遠足のようなものです。

 

 スケジュールも行く所もおやつの制限も全部その地域の小学校の高学年が中心になって、皆で決めて、責任者も高学年の子です。幼稚園ぐらいの妹や弟も参加ありです。行く所は、”お日天さん迎え”と言うぐらいですから、近くの皆が登れる程度の山です。何せ丹波の山の中なので回りは山です。京都の大文字山程度の高さの山が色々ありました。きっと暖かい春がやっと来たので山に登ってお日様を迎えに行こうと言う行事だったのでしょう。でも、その頃は、農作業が始まる季節で親達は忙しくなるし、子供達だけの遠足となったのでしょう。(お弁当は親が作ってくれましたけど。)

 

 小さい子は、お兄ちゃんやお姉ちゃんたちと一緒に行けて楽しい。高学年の子は責任を感じる一方で、自分たちで企画運営できることが楽しい・・・。でも現代では、危なくて、とてもさせられない事かもしれませんが。

 

 今、幼稚園などで縦割り教育を取り入れているところがありますが、確かに、地域や社会において、同一年齢の子供達ばかりの集団と言うのは、本来不自然と言えば不自然な集団ですよね。それを物心ついた頃から成人するまでの間、ずーっと当たり前だと思って、その中で成長してきました。

 

 でも、同じ年齢ばかりだから比べてしまう、同じ年齢ばかりだから煮つまってしまうことが多いのかもしれません。大きい子もいて、小さい子もいてのほうが、お互いに優しい関係で過ごせたり、成長できたりすることが多いのかもしれません。

 

ごまめのうた

         作詞 島田陽子

 

  いつかて いっしょに あそびたい

  にいちゃんたちに ついてくねん

  さっさとしいや ほっとくで

  しかられたって へいきやねん

  ごまめで いれてくれるねん

    ごまめ ごまめ うれしいごまめ

    ちいさい子かて なかまやねん

 

  いつかて いっしょに あそびたい

  にいちゃんたちは おこらへん

  とっととしたかて おそいのン

  しゃあないいうて まってるねん

  ごまめやさかい かまへんねん

    ごまめ ごまめ うれしいごまめ

    ちいさい子かて なかまやねん