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2才の娘のあと追いが激しくて・・・

2019.11.07幸代のひとりごと

 先日、あるお母さんから相談がありました。あと追いは、ずり這いや四つ這いのころ(生後8~10ヶ月)によくあります。お母さんがドアの向こうに行ったりすると、見えなくなり不安になって、泣きながら追いかけます。それは、ドアで隠れた向こう側にお母さんがいる事が想像出来ないからです。「あっお母さんがいない!どこかに行っちゃった!」まるでマジックショーのイリュージョンでお母さんが消えてしまったような感覚なのでしょう。だからお母さんが少し離れようとするだけで、せっせと追いかけます。不安な時は、それに“泣き”が加わります。

 赤ちゃんがもう少し成長すると、ドアの向こうのことが想像出来るようになり、慣れた場所では、”見えないけれどあの向こうにお母さんは居る“と分かるようになり落ち着くようになります。「いない、いない、バア」が楽しめるようになるのも、この「隠れた向こう側に居ることを想像できる力」が身についてからです。この月齢の頃のあと追いは、ハイハイの練習になりますので、赤ちゃんが追いかけて来たら、お母さんは立ち止まって、赤ちゃんが、追いつくのを待ってあげましょう。「おいで~。」と言って赤ちゃんがくじけない距離で待ってあげましょう。

 ところで、御相談のかたですが、娘さんはもう2才ですよね。もう充分「隠れた向こう側を想像する力」はあるはずです。しかし、お母さんの顔が少しでもみえないとすぐに泣いて追いかけるし、家の中でお父さんと遊んでいてもお母さんが少し離れると泣いて追いかけるとのことでした。

 「お母さんが買い物に出かける時などに、お父さんの預けて行く事はありますか?」と聞くと「あります。」とのことです。「その時はどういう風にして、出かけますか?」と聞くと、「娘がお父さんと遊んでいる時に、お父さんに目で合図を送って娘に気づかれないようにそっと出て行きます。」とのことです。

 多分これです。この後2才の彼女がどうなるかと言うと、しばらくはお父さんと仲良くあそんでいるのですが、ふとお母さんがいないことに気が付いて、不安になる。回りを見回してもお母さんがいない!「えっ?!どこへ行ったの?!」となって、大泣きするという展開になります。だって、彼女の知らない間にお母さんがいなくなってしまって、いつ帰ってくるかもわからないし、ひょっとして、帰って来ないかもしれないかも?!

 そうなると、プチパニックです。もう、お父さんのなだめる声も届きません。それが何度か重なると、彼女は警戒するようになります。「ちゃんとお母さんを見張っとかなくっちゃ。また、知らない間にどこかへ行っちゃうかもしれないわ!」「お父さんだって、知らん顔して、遊んでたくせに!信用できないんだから!」となって、お父さんに抱っこされるのも警戒して泣くようになります。お母さんが自分から少しでも離れると追いかけて泣くようになります。だって不安ですから。お母さんはいついなくなるかもしれないのだから。

 そうならないためには・・・。彼女に予定を説明しておく方が良いと思います。「今日はお昼ごはんを食べたら、お母さんは買い物に行くからね。〇〇ちゃんはお父さんと遊んでいてね。」「お買い物が終わったら帰って来るから、それまではお父さんと遊んでいてね。じゃあ行って来ます。」とか、「お父さんと遊んで、お昼寝したら、お母さん帰って来るからね。」とか説明してから出掛けて下さい。

 慣れない内は、お見送りが悲しくて泣くかも知れませんが、お母さんが約束通りに「ただいま!〇〇ちゃんお父さんと待っててくれてありがとう!」と元気に帰って来てハグしてあげると、安心するでしょう。それを繰り返していると、少しずつ待てるようになると思います。

 まずは、家の中で彼女の目から離れる時に説明しましょう。「トイレに行ってくるからね。」追いかけて付いてきたら、トイレに入れてあげてもいいし、ドアを開けて外で待ってもらっても良いです。何度も繰り返しているうちに、トイレに行く」と聞くと「あ~あそこに行って、オシッコしたら、お母さんは出てくるんだ。」とわかるようになって安心するようになるでしょう。

 彼女の目の前から消える時は必ず“声を掛けるクセ”を自分に付けることが大切です。そして、自分がいない間に彼女は何をしていればいいか、また、帰って来る頃の目安も加えておくと良いと思います。

 そしてお母さんは元気に「待っててくれてありがとう!」と約束通りに帰ってくること。万一、大幅に帰る予定が遅れる時は、電話をして彼女に予定変更を伝えることもしてあげて下さい。