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日光を浴びて健康作り

2021.05.13幸代のひとりごと

日光浴をする赤ちゃん

 コロナ禍で外出が減り、日光に当たる時間が少なくなっていませんか?近年、紫外線による肌の老化や皮膚ガンのリスクばかりが注目され、日光が悪者扱いされていますが、その結果、ガン、骨粗しょう症、アレルギー、うつ病、糖尿病が急増しているという報告もあります。医学雑誌「Nature」が過度の紫外線対策に対して警告を発しました。紫外線を適度に浴びることは、健康を維持するためには大切なことなのです。

 では、日光を浴びることは、私たちの体にどんなメリットがあるのでしょうか。まず日光を浴びることで紫外線によって体内でビタミンDが生成されます。ビタミンDは、骨や筋肉を作るための必須栄養素です。

 厚生労働省の調査によると、食品から摂るビタミンDの必要量の目安は5.5μg程度で、それに対し一日に体に必要な量は15μg以上とされていて、足りない10μgは、日光を浴びて体内で生成する必要があるのです。体内のビタミンDは食品から摂取したカルシウムを腸から吸収して体内に取り込むのに役立ちます。そして体内カルシウムは骨格を作り神経の伝達物質の役目をします。つまり、日光を浴びることで骨が丈夫になり運動神経が良くなるということです。

 また、ビタミンDは、免疫機能のコントロールセンターである腸に働きかけて腸内環境を整え免疫力をアップさせます。ビタミンD投与により、インフルエンザの発症率は半減したという日本の臨床結果も報告されています。

 最近の研究では、体内のビタミンDを正常レベルに保つことにより肝がん、肺がん、乳がん、白血病などの発症リスクが2~8割低下したという報告もあるそうです。ちなみにビタミンDを多く含む食品は、サケ、マグロ、サバなどの魚類、キノコ類、卵、チーズなどがあります。これらを摂取することも大切です。

 さらに日光浴によるメリットとして、精神や目への影響もあります。世界的にみても、北欧や東欧などの日照時間の短い国では、うつ病の発生率は高いことが知られています。

 日光を浴びると「快楽ホルモン」と言われるβエンドルフィンや「喜びホルモン」と言われるセロトニンが分泌され、脳が活性化し、一日のリズムも整えられ、うつ病や認知症が予防、改善されます。これは皮膚だけでなく目から入った紫外線も網膜を刺激し、体内時計をリセットするのです。だから反対に夜遅くまでパソコンやスマホのブルーライトを見ていると体内時計がおかしくなり、不眠や自律神経の不調を招くのです。(ブルーライトは、紫外線の次に波長の短い可視光線で太陽はもちろん、LEDを使ったパソコン、TV、スマホの画面からも多く放射されます。)

 ブルーライトと言えば先日のニュースで「新型コロナによる在宅学習用に、ブルーライトをカットする眼鏡を小中学生へ寄贈するという計画を渋谷区が立てていたが、眼科の学会からの意見で中止になった。」と言ってました。太陽光を充分に浴びないと、近視が進行するリスクが高まるという意見書によるものです。

 とは言え、強い紫外線に当たったり、一度に長時間日光に当たることは、やはりダメージがあります。
 
 これからの季節は、日差しが強くなりますので、朝夕の紫外線量の少ない時間に出掛けるとか、帽子や日傘・ベビーカーのひさしなどを使ったり、木陰で遊ぶなどして、少しずつ日光を浴びるようにすることをおすすめします。
 
 この記事に関連して「赤ちゃんに日焼け止め・・・?!」(2012.08.20発信)もご一読下さい。